テクノロジー

数十年にわたるラボでの経験に基づいた,BUCHIの最先端の自動化された使いやすいテクノロジーで,優れた科学の未来を築きましょう。

スプレードライ(噴霧乾燥)

スプレードライは,液体に溶けている固体物質を乾燥させるのに適したメソッドです。一定サイズの粒子を形成して,物質を保護します。

スプレードライでは,熱風が流れる乾燥チャンバー内に液体原料を細かい霧状に噴霧させて瞬時に乾燥させます。そして乾燥によって生成された微粒子を捕集しながら連続的に乾燥処理を行っていきます。

スプレードライは,食品,医薬品,化成品の配合などの用途に幅広く使用されています。良好な結果を得るには,専用のスプレードライヤー(噴霧乾燥装機)が必要です。ビュッヒには,工業生産規模に進む前のラボスケールによるスプレードライの研究開発や最適化に最適な装置を提供しています。

ビュッヒのスプレードライアプリケーション

凍結乾燥(フリーズドライ)

凍結乾燥は,熱に弱い試料から形状や物性を損なわずに液体(通常は水)を抜き取るための重要なメソッドです。

凍結乾燥では,試料を予め凍結させてから,それを真空状態に置きます。これにより試料に含まれる氷が”昇華”します。昇華とは液体状態を経由せずに氷が蒸気となるプロセスなので,凍結乾燥では試料全体の構造は乾燥によって損なわれることなく維持できます。したがって凍結乾燥は,食品の味および品質を保つと同時にその外観を維持するために,食品業界で広く用いられています。また高温にする必要がないので,医薬品やライフサイエンスの分野にも数多くのアプリケーションがあります。

凍結乾燥は手作業でも行えますが,専用の凍結乾燥機を用いると,より一定の結果が得られます。凍結乾燥機は様々なサンプルサイズ,アプリケーションに対応したものがあります。

ビュッヒのフリーズドライアプリケーション

(マイクロ)カプセル化

カプセル化は,対象とする物質を保護したり,その送達をコントロールしたりするのに用いられます。カプセル化プロセスでは,保護性と浸透性を併せ持つ物質を用いて対象となる物質を内包します。細胞などの生体構成物質でもカプセル化することが可能です。マイクロカプセル化はカプセルを顕微鏡スケールで物質の伝達を実現でき,ライフサイエンスや医薬品,食品製造分野で無数のアプリケーションがあります。

カプセル化の古典的な手法は,パンコーティングによるカプセル化や遠心分離によるカプセル化ですが,振動発生素子を備えた滴下ノズルを用いれば,より制御性の高いマイクロカプセルを造り出すことができます。このメソッドは,ノズルから送出した原料液の流れにコントロールされた”脈動”を与えることで,均一なサイズの液滴が得られ,そこから様々なマイクロカプセル化の実現が可能になります。

ビュッヒのカプセル化アプリケーション

固液抽出

固液抽出には様々な方法があります。多くのアプリケーションで,最も効率がよく,適しているのはソックスレー抽出法です。この方法は,溶媒の継続的な蒸留によりサンプルの連続的抽出ができます。固体サンプルは円筒ろ紙に入れ,溶媒を入れる容器の上にセットします。溶媒が蒸発し,固体サンプルを入れた容器の上のコンデンサーで再び凝縮します。これが固体サンプルを入れた容器に滴下し,そこで抽出が行われます。その容器がいっぱいになると,抽出物が溶媒と共に溶媒容器に戻ります。固体サンプルは,新しい溶媒により穏やかにかつ継続的に抽出されます。ビュッヒの様々な抽出装置を用いれば,抽出プロセスはすべて自動で行えます。

ビュッヒの抽出アプリケーション

近赤外分析(NIR)分光法

近赤外(NIR)分光法は,780 nm ~ 2500 nmの波長域で物質の吸光度を測定します。近红外光谱は特に感度が良いというわけではありませんが,中赤外分光法などの他の分光分析法より,サンプルの透過性が高いという利点があります。そのため,サンプルの前処理が必要ないか,最小限で済みます。従来のラボでのアプリケーションのほかにも,NIRは原材料受入の検査や,製造プロセスでのリアルタイムモニタリングにも利用されています。食品からプラスティック,医薬品に至るまで,様々な製品の成分が測定できます。混合物や,穀物あるいは肉などの天然物の成分を調べるには,ケモメトリクスメソッドを用います。そして,専用のNIRソフトウェアを用いて,複合NIRスペクトルを基準スペクトルと比較します。

ビュッヒは,高感度のラボ用機器からオンラインシステム,小型装置まで,幅広い近赤外分析装置(NIR)を取り揃えています。

ビュッヒのNIRアプリケーション

融点測定

融点測定は,主に物質の純度を分析するために用いられる最も古い方法の1つです。今日でも,純度を確認する最も簡単な方法の一つです。化学的に純粋な(固体の)物質には,明確に定義された融点があるという事実に基づいています。物質は,純度が低ければ低いほど,融点は低くなります。

融点の測定は簡単です。試料をゆっくりと加熱し,試料の温度を観察すればよい。しかし,このプロセスは非常に時間がかかるため,BUCHIは専用の融点測定装置を用いてプロセスを完全に自動化しました。この装置は,様々な化合物を測定するために,融解プロセスの目視確認と,設定可能なメソッド機能を提供しています。また,重要な相転移を記録して後の分析に役立てることも可能です。

ビュッヒの融点アプリケーション